JR田沢湖線
2022年ゴールデンウィーク、家族を連れて秋田新幹線こまちに乗り込み、
秋田には関係のない厚岸の牡蠣飯で飲(や)りつつ僕の旅は始まった。
やってきたのは秋田県は仙北市にあります田沢湖駅。
今回の目的地は、底の深さ日本一の400mの水を湛える田沢湖を見下ろす伝説の秘湯だ。
田沢湖といえば、たつこ像をご存知だろうか。
秋田県三大がっかりスポットとか、恋人同士で見ると別れるとか、挙句の果てには夜中になると一人で歩き回るなど、散々な言われようのたつこ姫。
そんな田沢湖のほとりに佇む、金色の姿が美しいたつこ像がこちらである。
おお!なんと素晴らしい!
この趣がわかってこそ立派な大人なのである。
田沢湖の近くのドライブインでは秋田犬(あきたいぬ)見学所なんかもあって結構人がいた。
秋田犬はとってもかわいい。全頭スヤッスヤに寝ていたが。
田沢湖から宿までは模型コーナーでもおなじみ我らが羽後交通バスに乗車だ!
秘境感満載の穴だらけのデコボコ山道をひたすら登ってきた先に本日の宿を発見した!!!
乳頭温泉郷「鶴の湯」である。
ウヒョー!趣あるねぇーーーッ!
フワーっと芳る硫黄がテンションを上げてくれる。
露天風呂はなんと混浴である!!
風呂の様子については上部にある鶴の湯のリンク、もしくは諸兄の目でぜひ確かめていただきたい。
温泉から山に向かって湯気が上っていく。この景色が旅情を盛り上げる。
建物も趣があって素晴らしい。冬に来たら雪がもっと綺麗だったろう。
囲炉裏やオイルランプが非日常を感じさせてくれる。
子供たちも、囲炉裏を珍しそうに見ていた。
僕の携帯は圏外になったが、宿にはWi-Fiもあり困ることは無かった。
さア飯だ!ヤマメの塩焼きに、山菜の天ぷら!
そして山の芋鍋。仙北地方に伝わる郷土料理。
山の芋鍋はすりつぶして団子状にしたつくね芋(ヤマノイモ科の芋で通称・大和芋)がたっぷりと入った鶴の湯の名物である。
岩魚の骨酒(いわなのこつざけ)と一緒にいただくと、極上の美味さである。
これが名物・岩魚の骨酒だ!!
味はひれ酒に似ていて、濃厚なスープのようにも思える味わいである。
もう一杯、もう一杯、と何度も確かめたくなる。
いかん、これは酒がすすみ過ぎる。
雪の茅舎は僕の好きな酒だ。秋田の酒はやっぱり一番美味い。
夜が更けていく。
茅葺き屋根の居室は薄暗さがまた心地よく、川のせせらぎが聞こえて来る。
宿の方も親切で、新幹線の時間の関係で翌朝の朝食は不要です、と伝えると、出発の際におにぎりを持たせてくれた。
こうなったら、今度は雪景色も見たいなぁ。
冬の再訪を誓った。